春(4月 - 5月頃): 冬眠からの目覚めと新しい巣の作り始め

春が始まると、女王スズメバチが冬眠から目覚めます。この女王蜂は前年の秋に雄と交尾し、その受精卵を体内で越冬しています。目覚めた女王蜂は新しい巣を作り始めます。この初期の巣は小さく、おおよそテニスボールほどの大きさです。

コガタスズメバチは逆トックリ型の特徴的な巣をつくります。この時期の女王蜂はたった1匹で巣を作り、卵を産み、幼虫のエサの狩りをして子育てをしなければならないため大変忙しく、鳥などの外敵に襲われやすい時期でもあります。

 

初夏(6月 - 7月頃): 巣の拡大と働き蜂の誕生

初夏になると、巣の中から最初の一群の働き蜂が生まれます。これらの働き蜂は巣の拡大や食料の確保、新しい蜂の育成などに従事します。一方、女王蜂はエサの狩りなど働き蜂に任せ、巣の中で卵を産み続けるようになります。この時期になると、巣はさらに大きくなり、働き蜂の数も増えてきます。

 

夏(8月 - 9月頃): 巣の最盛期と新たな女王蜂の誕生

夏になると巣は最大の大きさになり、数百から数千匹の働き蜂が巣を守り、食料を集めます。そして、女王蜂は新たな女王蜂となる卵を産みます。これらの新しい女王蜂は雄と交尾し、その後すぐに巣を離れて新たな場所で冬眠します。

次のシーズンの女王蜂が産まれるようになると、この新女王バチを守ろうとして巣に近づいてくる外敵への攻撃性が増します。スズメバチがよく人を襲うようになるのがこの時期です。

 

秋(10月頃): 巣の衰退と新女王蜂の冬眠

秋になると巣の活動は衰退し始め、働き蜂や古い女王蜂は死んでしまいます。しかし新しい女王蜂は安全な場所で冬眠を始め、次の春に新たな巣を作り始めるためのエネルギーを蓄えます。

これが、スズメバチの一年の生態と活動のサイクルです。このサイクルは、生息地の気候や食料の状況により多少変動することがあります。

おすすめの記事