巣穴が1カ所のタイプに有効な駆除方法です

民家の軒先や庭の生垣などでもよく見かけるコガタスズメバチやキイロスズメバチの巣は球形で通常巣穴が1カ所開いています。このように巣穴が1か所しかないタイプのハチの巣は、巣のなかにいる大量のハチを中に閉じ込めて駆除するのがもっとも安全で効率的です。

スズメバチ駆除のプロである私たちが実践している方法ですのでぜひ参考にしてください。ただし万一刺されても責任はとれません。あくまで自己責任でお願いします。

<注意事項>
・興奮したハチは巣から10m以上離れても襲ってくることがあります。必ずご近所に声をかけて駆除中家の中に避難してもらうようにするほか、通行人のいない時を見計らって駆除するようにしてください。
・必ず防護服を着ること。
・殺虫スプレーは小さい缶だと20~30秒で噴射し終わるので、大きなハチの巣を駆除するときは必ず予備を用意すること。
・万一のハチ刺されに備えて吸引器(ポイズンリムーバー)を用意しておくこと。
・アナフィラキシーショックの心配がある場合は自己注射薬のアドレナリン製剤を用意しておくこと。
スズメバチに刺された時の対処方法参照のこと

ハチの巣本体の駆除方法

①スズメバチをできるだけ刺激しないようにそっと近づく。
巣の周辺には偵察の役目をするハチがいて近づく者を警戒していることがあります。また巣穴の入り口には中から外を覗いて監視するハチがいます。これらのハチを刺激しないようできるだけそっと近づきます。

②巣に振動を与えたり揺らしたりすると、ハチたちが興奮して巣穴から出てくることがあります。そうなった場合無理に駆除しようとせずじっとして、ハチの興奮が収まるのを待ちます。やがて興奮が収まるとハチたちは巣の中に戻っていきます。

③ハチの巣の表面には外被を補修する役目のハチが多くいることがあります。監視役を含めてこれら巣の表面にいるハチに向けて殺虫スプレーを散布してハチの攻撃能力を一時的に削ぎます。

④続けて巣穴から内部に向けてスプレーを噴射します。元気のいいハチが何匹か巣穴から飛び出てくるかもしれませんが怯まず内部に向けて噴射し続けます。

⑤ある程度内部に殺虫剤が行きわたったら、巣穴に綿などを詰めて蓋をしてハチが出てこられないようにします。(面倒なら手袋をした指で押さえつけてもOKです)

⑥巣の内部では最初大きな羽音がしてハチが苦しがっていますが、やがて静かになっていきます。

⑦万全を期すのであれば、スプレーのノズルを巣の複数個所に差し込んで噴射し、殺虫剤を内部に行きわたらせるようにするとよいでしょう。(スチール製のロングノズルを使うと巣にブスリと刺してスプレーすることができます)

初心者の方へのアドバイス

・防護服は普段着慣れないものですし、視界も遮られるので、きちんと着られているか自分でチェックするのは難しいものです。ハチが入り込む隙間などないかご家族等にチェックしてもらってください。
・スズメバチの巣を駆除する際、間近でブンブン唸るような羽音がして、場合によっては体当たりして刺そうとしてきますので、防護服を着ていても相当な恐怖心を感じるかもしれません。まずはなるべくハチを興奮させないように静かに近づくことを心がけてください。
・いったん殺虫スプレーで駆除を始めたら、ためらわずに続けてください。中途半端な状態でやめると興奮したハチが周囲を飛び回り思わぬ被害をもたらす可能性があります。
・また初心者の方にありがちなのが、スプレーを途中で中断して様子を見ようとすることです。「殺虫剤が効いているか確かめたい」「ハチの様子を見てみたい」といった心理が働くようです。巣の表面にいるハチにスプレーし巣穴から内部に噴射するところまで一気呵成に行って、ハチに反撃の隙を与えないようにしてください。

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