スズメバチの巣を駆除するのはハチに刺される危険と隣り合わせです。

営巣が最盛期を迎える頃には百匹以上の働きバチが活動する場合もあるので危険性はさらに高まります。駆除に慣れたプロでも細心の注意が必要ですし緊張を強いられます。

そんなスズメバチの巣を初心者でも簡単に駆除できる方法があります。防護服も必要ありません。

それは・・・、巣が大きくなる前、まだ働きバチもおらず、女王バチ1匹で巣作りしている時期を逃さず駆除することです。

巨大なスズメバチの巣も最初はたった1匹の女王バチから

スズメバチの巣は冬になると空っぽになってしまいます。

これを見てみんな冬眠してしまうと誤解している方もいるかもしれません。実はスズメバチの女王バチも働きバチも冬になるとみんな死んでしまいます。

唯一冬眠して越冬するのは、秋に誕生した新女王バチだけです。

新女王バチはオス蜂と交尾した後、木のうろなどに潜り込んで冬眠します。そして春暖かくなると目覚め、1匹だけで巣作りを始めます。

最初はほんの数匹分くらいの育房に卵を産んで、最初の働きバチを育てます。

この時期は巣材を集めて巣をつくったり、幼虫のためにエサをとってきて子育てをしたり、すべて女王バチ1匹でこなします。

やがて働きバチが生まれると巣作りや幼虫の世話は働きバチがすべて行って、女王バチは産卵に専念するようになります。働きバチが増えるとともに巣はどんどん大きくなっていきます。

春になったら気をつけて観察しよう

冬眠から目覚めた女王バチはとてもおとなしく、ほとんど攻撃性がありません。たった1匹で巣作りと子育てをしなければならず体力を使うからでしょうか。よほどのことがないかぎり人を刺したりはしないようです。

※絶対に刺さないわけではありません。手で捕まえたり乱暴に振り払ったりしない等、それなりの注意は必要です。

このため女王バチだけの巣であれば、近づいてもほとんど攻撃してくることはないので、間近まで近づいて殺虫剤をスプレーするだけで容易に女王バチを駆除することができます。

女王バチを駆除してしまえば、小さな巣は簡単に撤去できます。

女王バチが冬眠から覚めて巣作りを始めるのは通常4月~5月頃です。この時期になったら家の周囲でスズメバチが巣作りをしていないか注意深く観察してみてください。もし見つけることができれば最小の労力で巣を駆除できます。

ただし、すでに働きバチが生まれていると、この働きバチに襲われる可能性があるので、決して無理をしないようにしてください。

<補足事項>

・アシナガバチの新女王バチが巣作りを始めるのもほぼ同じ時期です。スズメバチと同様に比較的簡単に駆除できます。
・ミツバチは集団で越冬しますのでこの駆除方法は当てはまりません。

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